【真・興菱辞典】

        


【アセチレン】(あせちれん)

化学式C2H2 ガス溶接の燃料ガスとして用いられる。単体で燃焼させると大量の油煙が出る。

【圧縮】(あっしゅく)

冷凍サイクルにおいて、気体の容積を小さくする行程をさす。容積が小になるに従い、圧力上昇、温度上昇をともなう。

【圧縮機】(あっしゅくき)

冷凍機の心臓部分。名称からは「圧縮」がメインのように聞こえるが、冷却にはむしろ「吸込み」の要素が強い。形状からは開放、半密閉、密閉の3種類がある。圧縮方法からは往復(ピストン)、ロータリー、スクロール、ターボ、スクリューなどの種類がある。

 

<以下詳細解説です>

 往復形です。昔から見られるやつですよね。今でもまだあちこちでがんばってますよ!小型から大型まで幅広く使われていますね。

 開放型、半密閉型、密閉型のいずれにも適用されています。採用されてから期間がたっているからか信頼性は高いですね。

 でも最近は時代の流れなんでしょうか?これもなくなりつつあります。

 ロータリー形です。小型のエアコンとか冷凍機に多く見受けられますよね。(といっても中身は見えませんが…)

 主に小型の圧縮機に適用されています。

 往復型にくらべて部品点数が少ないのが特徴です。

 スクロール形です。これ思いついた人はホントにすごいですよね。最近の冷凍機やエアコンはほとんどがこのタイプです。

 部品点数が少ないのはロータリーと同じ特徴ですが、連続的に冷媒を吐出できることと、動くローターが軽量化できたことによって大出力の圧縮機にも適用できたことがポイントではないでしょうか。

 インバーターと組み合わせると非常にきめ細かい制御ができます。

【圧力スイッチ】(あつりょくすいっち)

冷凍機の自動制御用の操作回路に用いる。高圧制御(保護、制御)と低圧制御(制御)などで冷凍機を停止させる。

【インターロック】(いんたーろっく)

複数の電動機器などを条件付けで連動運転させる回路。冷水チラーなどは、これにより、凍結防止のためポンプ運転中でないと冷凍機が作動しないようになっている。

【インバーター】(いんばーたー)

ダイオードとコンデンサの直列接続による整流効果を利用して、電圧と周波数を制御する装置。電動機等の一時的に増える始動電流を抑え、運転負荷を抑制できる。

【インパクトドライバー】(いんぱくとどらいばー)

電動インパクトドライバーのこと。瞬時に大きなトルクを繰り返し与えることができる。緩まなくなったビスやボルトナットを緩めたり、ドリルビスを金属板に直接打つなどに適している。

【エアコン】(えあこん)

エアコンディショナー(Air-Conditioner)の略称。和名は空気調和装置。空気の温度調整や湿度調整をする。

【エラー】(えらー)

冷凍機などが正常に運転できない状態を検知して表示するもの。メーカーによってさまざまだが通常はアルファベットと数字の組み合わせが多い。

【エンタルピ】(えんたるぴ)

熱力学における、状態量のひとつ。仕事量と内部エネルギで示される。冷凍サイクルの分野では単位重量あたりのエンタルピである、比エンタルピを使用する。

【オゾン層】(おぞんそう)

地球上の成層圏に数ミリから数センチの厚さで地球を覆っている。太陽光の紫外線を減衰する効果がある。オゾンとはO3のことで通常の酸素O2より活性した物質であるため、フロンに含まれる塩素が紫外線により分解されオゾン中に1つの酸素原子と結びつきオゾンを消費してしまう。


        


【回収装置】(かいしゅうそうち)

冷媒回収装置のことで、フロンなどを大気放出せずにボンベへ回収する装置のこと。構造は冷却器のない冷凍機とほほ同じ。使用根拠は「特定用品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律(フロン回収破壊法)」である。

【可溶栓】(かようせん)

主に受液器に具備されているもの。ボルトなどの貫通部に融点の低い材料を封じ込めて、受液器にたまった液化冷媒が高温化した際にボルトの貫通部から冷媒を抜き、受液器本体の破裂事故を防ぐ。

【気密試験】(きみつしけん)

高圧ガス保安法第11条2項、同第12条2項、同13条に基づき実施される試験。配管接続系統の密閉度を確認する目的で冷媒設備中に許容圧力以上の圧力で行う。一部罰則規定あり。

【凝縮】(ぎょうしゅく)

物質の圧力を保持しながら、冷却をせしめた際におこる物質の状態変化(気体⇒液体)

【凝縮器】(ぎょうしゅくき)

高圧高温になった冷媒(気体)を、冷却することで高圧のまま冷却し冷媒を液化(凝縮)させる装置。英訳するとCondenserでコンデンサと呼ぶ事もある。方式としては水冷と空冷がある。蛇足だが空冷のものに水を噴きかけるエバポレーティングコンデンサという方式もある。

【空気線図】(くうきせんず)

湿り空気線図ともいう。空気の温度、湿度、エンタルピ等の状態値を線から確認する事ができる。空調負荷計算には不可欠なものである。

【高圧ガス保安法】(こうあつがすほあんほう)

この法律は、高圧ガスによる災害を防止するため、高圧ガスの製造、貯蔵、販売、移動その他取扱及び消費並びに容器の製造及び取扱を規制するとともに、民間事業者及び高圧ガス保安協会による高圧ガスの保安に関する自主的な活動を促進し、もって公共の安全を確保することを目的とする。(第1条原文のまま)

【コンデンサ】(こんでんさ)

①凝縮器のこと。

②静電エネルギーを蓄える装置のこと。交流電流の位相を進める効果がある。応用として、電動機の力率改善に用いたり単相電源で3極の電動機を回したりすることができる。

【コンデンシングユニット】(こんでんしんぐゆにっと)

直訳とすると「凝縮装置」。液化した冷媒を冷却器に供給し、冷却器での熱交換によって蒸発した冷媒を回収する装置のこと。主に圧縮機と凝縮器で構成される。

【コンプレッサー】(こんぷれっさー)

圧縮機のことで、一般的にはこう呼ばれることが多い。


        


【サーモスタット】(さーもすたっと)

温度調節器。設定した温度にて電気接点を開や閉にしたり、電気抵抗を変えたりすることができる。種類は感温筒内部に封入された媒体内部の圧力が温度によって変化することを利用するタイプと、熱電対の温度変化による電気抵抗変化を利用するタイプがある。

【サイフォン】(さいふぉん)

容器内部の圧力を利用して、容器下部にたまった液体を容器を倒すことなく取り出す手法。新冷媒の場合、蒸発圧力の違う混合冷媒を使用していることから、冷凍機へ冷媒を適正に供給する時には液体であることが望まれる。したがって冷媒供給用の圧力容器(ボンベ)にはこれを適用している。

【三方弁】(さんぽうべん)

冷媒系統において、手動の場合は工事や整備を容易にさせる目的で、冷媒の流れを遮断したり、冷媒の流れ方向を1方向または2方向に変える弁のこと。主に冷媒系統にチャージングホースを接続させる箇所に用いる。電動の場合(電磁弁式)はホットガスを蒸発器へバイパスさせる時などの制御が必要な場合に使用する。

<手動式>

 これがついていないと冷凍機の工事や整備は大変ですよね。

断面図を描いてみました。でも、全ての三方弁がこんな形をしているわけではありませんのでご注意くださいね。

 例として受液器(または凝縮器出口)での液管での流れで示します。

青い冷媒は右から左に流れています。

 左に冷媒の出口が二つありますが上の出口がチャージングホースの接続部分だと思ってください。

 弁本体(そろばんの珠のようなやつ)が上下することで冷媒の流れ方が変わります。

通常運転のときは弁本体は上で止まっているはずです。

 自分から見て弁本体(シート)が手前に戻ってきた(バック)という意味で「バックシート」といいます。

 冷凍機の工事や整備、修理のときはこの三方弁を操作して、冷凍機以外の真空引きを行ったり、大気開放して修理を行ったりするのです。

 この三方弁をあちこち開閉して操作すると、いろんな応用ができますが、操作を誤ってしまうと冷凍機を壊したり、災害にあってしまうので、操作前によ~く勉強してみてくださいね。

<電動式>(電磁弁型)

 電源の入り切りによって冷媒の流れる方向が変わるタイプです。

 完全なバイパスが必要な場合に使用するものです。

 ホットガスでのデフロストや外気低温時の凝縮圧力の保持をさせたりするのに使用できます。

 ちなみにこれを使う場合は冷媒制御に他の機器も必要になります。

 かなりのマニアが使います。

【GHP】(じーえっちぴー)

 ガスヒートポンプのこと。コンプレッサー動力をエンジン出力でまかない、エンジンの排熱を暖房時の熱交換に利用する。メリットとしては冬季の暖房運転時において、デフロスト運転にともなう暖房停止時間がなくなるため効率の良い運転ができる。デメリットとしてはメーカーを問わず一様にエンジンの熱損失が大きい事から、燃料コストが大きくなってしまうこと。また、定期的に点検修理が必要となるため整備費用もかさむ。

【室外機】(しつがいき)

 エアコンにおいて冷媒の凝縮、蒸発にともなって排熱をする装置。コンプレッサーが入っている場合とそうでない場合がある。

【蒸発】(じょうはつ)

 物質がその圧力において液体または固体の状態が維持できなくなり、気体へ状態変化をおこすこと。この状態変化にともなって周囲から熱を奪う作用がある。

【真空ポンプ】(しんくうぽんぷ)

 密閉された空間に接続することによって、それを真空にする事が出来る装置。冷凍空調工事においては冷媒系統を接続後にこれを用いて系統内部の不凝縮ガスや水分を除去する目的で使用する。

【新冷媒】(しんれいばい)

 オゾンと反応しやすい塩素を全く使用しない冷媒のこと。HFC(ハイドロフルオロカーボン)のこと。大気中に放出してもオゾン層は破壊しないが、地球温暖化につながる。

【ステンレス】(すてんれす)

 鉄系合金の一つ。比較的大きな割合でニッケルやクロムなどの重金属を添加物としている。鉄とほぼ同等の比重を保ちながら強度と耐酸化能力が向上している。

【操作回路】(そうさかいろ)

 冷凍機などにおいてコンプレッサーやヒーターの発停止するための条件をまとめた回路のこと。


        


【タイマ】(たいま)

 時計を組み込んだ電気接点をもつ装置。デフロストや遅延回路、水切り、油戻しなどに利用されている。

【暖房機】(だんぼうき)

 灯油、ガス、重油などを燃料にして、燃焼にともなう熱量を利用して部屋などを暖める装置。エアコンは暖房も出来るが暖房機と呼ぶ事は少ない。

【遅延回路】(ちえんかいろ)

 圧縮機などの高負荷の電動機を直入方法で始動する際、大電流が流れて電動機巻き線が発熱するため、これを冷却する時間を電動機に与えた回路をいう。電動機を一度止めたら、一定時間の間は始動させないようになっている。メーカーによってこの冷却時間はさまざまだが1時間に数回以上の発停止をさせないように推奨しているものもある。

【地球温暖化】(ちきゅうおんだんか)

 炭酸ガスやメタン、フロンなどの温室効果ガスが地表面から熱放出を妨げることによって、地球大気の温度が上昇する現象。地球大気の温度が上昇すると、永久凍土の溶解や、極地の氷の溶解により、海面上昇や気象の大幅な変化をもたらすといわれている。

【窒素】(ちっそ)

 通常は気体の物質。化学式はN2 大気中のおよそ8割を占めている。安定している物質なので密閉した空間に充填しておくと内部の酸化を妨げる効果がある。気密試験用の材料に適している。

【窒息】(ちっそく)

 酸素が不足すると生物にもたらす現象。大気中の酸素濃度はおよそ20%だが、15%を切り出すと注意。10%を切ると死に至る。

【テスター】(てすたー)

 電気関連の点検に使用する器具。電圧、電流、抵抗を測定できる。冷凍機の多くは複雑な操作回路が組み込まれている事が多いので、必需品である。

【電磁弁】(でんじべん)

 配管に接続し、接続された流体を電気信号により開放・遮断する事ができる。構造はバネ付きのプランジャー部分(バルブ部分)とこれを開閉する電磁コイル部分がある。電磁コイルに通電するとバルブが開く。

【銅管】(どうかん)

 銅でできた管。冷凍用(エアコンなど含む)は圧力が高くなるため、継ぎ目のないものを利用する。冷凍用のものはサイズがインチで表記される事がある。水道や油配管は別規格である。

【ドライヤ】(どらいや)

 ドライヤエレメントのこと。主に冷凍機の冷媒系統に接続されるもの。冷媒系統中の不純物や水分を除去する。ロウ付けするものや、フレアナット接続するものがある。以前はフランジ接続するものもあった。冷凍機運転中は常時劣化した冷凍機油やコンプレッサーの金属屑を除去(ろ過)しているため定期的な交換が必要。


        


【燃料】(ねんりょう)

 燃焼装置や内燃機関に供給するもの。引火点の持つものとして危険物に分類される。指定数量を超えて保管・取扱をする場合は危険物取扱者免状が必要になる。(石油など引火性液体は第4類に分類される)


        


【パーシングバルブ】(ぱーしんぐばるぶ)

 ピアシングバルブ。チャージングホースなどとの接続口がない時に使用するもの。銅管に直接装着する。

【配線図】(はいせんず)

 電気配線図のこと。電気配線の状態を記号などで示してある。

【バルブ】(ばるぶ)

 配管の途中ないしは端部に装着する。配管の途中にあるものは、配管内部のものの流れを止めたりし、配管端部のものは配管内部のものを取り出したり配管内部へものを供給したりする。

【ハンドブック】(はんどぶっく)

 メーカーのサービスマンが携帯する技術資料のこと。機器の性能・仕様・外観・取扱要領などさまざまな情報が記載されている。

【ヒューズ】(ひゅーず)

 過電流遮断装置の構成品のひとつ。その設定した電流以上に流れると、電流による発熱で融点の低い材料が融解することによって導通を遮断するもの。使用は一度限り。電流遮断までには時間がかかるため過電流が流れた場合には、遮断機二次側に接続する機器などにも多少の影響がある。

【不具合】(ふぐあい)

 図面や仕様書、法律などに定められた要求事項を満足しない状態。製造中や工事中に生じる事があるが、納入後に生じる事もある。寸法不良、材料不良、機器故障などがそうである。ケースとしては偶発的なものや人的要因なものがある。

【ブライン】(ぶらいん)

 熱交換用の媒体。アルコールやエチレングリコールなどを使う。熱交換する負荷の対象が急激な温度変化がある場合に使用すると効果的である。

【ブレーカー】(ぶれーかー)

 電流遮断装置の総称。ヒューズなどを使用して過電流を自動的に遮断できるものがほとんど。

【プレハブ】(ぷれはぶ)

①内容量が1000Lを越える冷蔵庫や冷凍庫の構造様式。パネルで強度をとるモノコック構造が特徴で、施工が容易。

②工事現場の事務所や仮設住宅として使用する建物の総称。

【フロン】(ふろん)

 正式名称はフルオロカーボン。フロンとはもともとはデュポン社の商品名称。フッ素と炭素をベースに塩素、水素など組み合わせて結合させた物質。自然界には存在しないが、比較的安定した物質。大気中の寿命はものによって違うが10年から100年程度。比較的に低圧で凝縮し、蒸発潜熱量が大きいため効率の良い冷凍サイクルが得られる。近年では大気放出されたフロンが自然分解により大量の塩素を生み出したものは、オゾン層と反応し(破壊し)地球環境に影響を及ぼすため生産の規制対象になった。(モントリオール議定書)

【膨張】(ぼうちょう)

 冷凍サイクルにおいて液化した物質の減圧にともなっておこる容積の変化。

【膨張弁】(ぼうちょうべん)

 液化した冷媒を減圧する装置。温度膨張弁の場合、感温筒から得た温度により変化した蒸発圧力を本体ダイヤフラムに供給し調整バネ強度とつりあった位置でニードルを自動的に開閉する。制御の仕組みは冷却器の温度が高くなれば開度をあげて、下がってくれば開度を下げるのが基本。均圧方式は内部型と外部型がある。開度調整は固定式と可変式がある。また近年ではサーミスタで温度を感知して電気的に開度調整する電子膨張弁が登場した。

 

<温度膨張弁の作動仕組み>

【ポンプダウン】(ぽんぷだうん)

 冷凍機の場合、冷媒液管をとおるサーモ電磁弁か手動式バルブで流れをとめて、圧力スイッチ(低圧側)の設定値到達までコンプレッサーを作動させること。自己冷媒回収または自己真空引きともいう。これをすることにより、コンデンシングユニットの出入り口と接続する冷却器の冷媒をコンデンシングユニットに回収することが出来る。

【ボンベ】(ぼんべ)

 高圧ガスを保管する圧力容器。基準は高圧ガス保安法と容器保安規則にもとづく。


        


【マグネットスイッチ】(まぐねっとすいっち)

 電磁接触器。高負荷の電動機を制御するために使用する。電磁石のコイルに電流を流し、電気接点の開閉を行う。

【マニホールドゲージ】(まにほーるどげーじ)

 圧力計とバルブ、チャージングホースで構成される。圧力計のついていない冷凍機やエアコンの運転圧力の測定に利用したり、冷媒供給や冷媒回収の接続に利用する。

【虫ゴム】(むしごむ)

 冷凍機やエアコンの冷媒取り出し口に接続されていることがある。三方弁のようにバルブ操作が不要であるのがメリットである。

【モーター】(もーたー)

 電動機。磁石とコイルで構成されており、フレミングの法則を利用して電気にて回転力を得る装置。交流の場合、供給電源の周波数と極数で回転数がきまる。

【モリエル線図】(もりえるせんず)

 p-h線図とも言う。圧力とエンタルピーを軸にとっており、その冷媒の圧力、温度、比体積などの状態量が把握できる。冷凍サイクルもこの線図上で示す事ができる。


        


【溶接】(ようせつ)

 金属などを締結せずに接続する方法。ガスや電気を利用する。接続する母材を高温に暖めて、母材より融点の低い材料にて母材同士を融着させること。この作業をするには最低でも技能講習を済ませておくことが必要である。


        


【リレー】(りれー)

 電磁コイルの電磁力を用いて電気接点を開閉する装置。マグネットスイッチと違うのは高負荷に使用しない点である。操作回路の制御などに使用する。

【リモコン】(りもこん)

 リモートコントローラの略称。機器を遠隔から操作する装置。有線、無線の方式がある。

【冷蔵庫】(れーぞーこ)

 ものを氷点以上の比較的低い設定温度にて積極的に保持する箱の総称。

【冷凍機】(れいとうき)

 冷蔵庫や、冷凍庫などものを冷やすために使用する機器の総称。コンデンシングユニットもこれである。

【冷凍庫】(れーとーこ)

 ものを氷点以下の設定温度にて積極的に保持する箱の総称。

【冷凍サイクル】(れいとうさいくる)

 モリエル線図上に示す事のできる冷媒の状態変化。圧縮、凝縮、膨張、蒸発を繰り返す。

 

 通常、冷凍サイクルはモリエル線図上で示されます。

 モリエル線図は冷媒のその圧力と比エンタルピにおいて、どのような状態かを示す線図のことです。

 冷媒がどのくらいの圧力で、どのくらいの比エンタルピを持っているのかでその冷媒の状態がわかるのです。

 冷凍サイクルは常に循環しているので、本当はどれが最初というわけではないと思うのですが、便宜上、ここでは圧縮から。

 

1)圧縮工程:圧縮は過熱した冷媒④の状態からスタートし圧縮機の力を借りて①へ向かいます。この際単純に圧縮しても等比エントロピー線に乗りますので、少し右へ傾いた曲線を描きます。簡単に言うと圧縮すると圧力が上がるばかりではなく、熱量も上昇します。

  ちなみにまだこの状態では冷媒は気体の状態です。

 

2)凝縮工程:①で高圧、高温の気体である冷媒は、凝縮器の力を得て②へ向かいます。凝縮器はファンと放熱部分を持っていますので、凝縮器の温度が上がっても冷ます能力があります。この凝縮器を冷媒が通ると圧力の変化はないものの、冷やす方向に温度変化をもたらす事ができます。このとき冷媒は温度が下がると気体の冷媒に湿りを帯びて最終的には「液化」します。これが凝縮です。

 

3)膨張行程:液化した冷媒はいまだ高圧のままです。これを膨張弁やキャピラリチューブなどを用いて減圧します。この際は熱の出入りがないという理論なので、そのまま③へ向かい圧力がさがります。そして飽和液線を越えますので、液化した冷媒は湿りを帯びた蒸気に変わります。

 

4)蒸発工程:湿りを帯びた蒸気は、蒸発器より熱をもらい、蒸発します。この際、蒸発器周囲は蒸発器内部にある冷媒に熱をあげてしまったので、温度がさがります。そして、完全に湿り度合いを失った冷媒は過熱蒸気なっていくのです。

 

これは単位重量あたりのサイクルを示すものです。本当の冷却量はこれに冷媒循環量が影響します。

【冷媒】(れいばい)

冷凍サイクルが適用でき、ものを冷やすために使う物質。

【漏電】(ろうでん)

電気機器の絶縁抵抗が低くなり、不要な部分にまで電気を流してしまう状態。


        


【ワット】(わっと)

 出力を表す言葉。電動機出力の場合、線間電圧と電流と力率の積で示される。0.75Kwで1馬力。1Kwで860kcal/h。